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会社員が不動産投資した場合の節税効果は?

不動産投資で利益が出た場合には所得税などの税金を納めなければなりません。

不動産投資には節税効果がある場合があります。節税方法を知って、できるだけ納める税金を低く抑えたいところです。

今回は、会社員が不動産投資をした場合の節税効果について徹底解説します。

1.不動産投資は本当に節税効果があるの?

結論、節税効果はあります。

節税のキーワードは「不動産所得」です。

不動産所得が節税にどう関係しているのかを説明する前に、まずは節税の定義について再確認しましょう。

本記事の結論を急ぐ方は、3章をご参照ください。

1)節税は適法に税金額を軽減する事

節税とよく耳にしますが、正しい理解がないまま節税について学ぶのは危険です。

気づかぬうちに「脱税行為をしていた」なんてケースは少なくありません。

税理士が付いていれば脱税行為も防げる可能性はありますが、あまり物件数を持たないサラリーマン投資家だと、そもそも税理士を雇わないケースが大半です。

節税について学ぶ前に、まずはその定義についておさらいしましょう。

節税とは

控除や非課税制度などを用いて、法律の範囲内で、支払うべき税金をなるべく抑える行為のこと。

節税には主に2つの効果がある。

①税金を減らす効果

②税金の支払いを先延ばし(繰り延べ)にする効果

本記事では、①について詳しく解説していきますが、参考までに②について少し解説します。

②は主に法人向けの話なので、ご参考程度に学習ください。

2)税金の支払いを先延ばし(繰り延べ)にすることも節税

代表的なのが「法人向け生命保険」

②の節税効果として代表的なのが、「法人向け生命保険」です。

社長や役員を対象にする商品で、支払った保険料を毎年最大半分までを損金(税務上の経費みたいなもの)にすることができます。

税金の支払いを先延ばしにできるカラクリ

保険料を支払った年には損金計上できるため、その年は節税できます。

数年間保険金を支払い続け、ある年で保険金を解約した場合、解約返戻金が戻ってきます。

今まで掛けてきた解約返戻金に対して課税されるので、結局税金が発生してしまうのです。

つまり毎年損金にはできるけど、結局解約時に課税されるので納税を繰り越しているにすぎないと言うわけです。

税金の繰り延べは無意味ではない

「結局課税されるのなら無意味じゃないか」

と思われる方もいるかもしれませんが、無駄ではありません。

なぜなら保険金を計上してその年の納税額を節税することで、その年のキャッシュに余裕が生まれるからです。

キャッシュができればそれを資金運転にでき、売上をつくるのに役立てることができます。

会社が危機的な状況に陥った際には、保険金を解約することで、一時的な資金を確保することもできます。

このように、会社経営において税金を繰り延べることもまた有効的であることが分かります。

2.不動産投資で節税できるのは「不動産所得」が関係している

本章では、節税に大きく関係する「不動産所得」について確認していきます。

まずは収入から見ていきましょう。

1)不動産投資の収入とは

不動産所得を理解するためには、収入と経費の関係性を理解する必要があります。

不動産投資で得られる収入は「家賃収入」ですね。

2)不動産投資の経費とは

一方で、経費もしくは費用としては以下のようなものがあります。

不動産投資で認められる必要経費

✔ 土地・建物の固定資産税、都市計画税

✔ 小さな修繕の場合の修繕費

✔ 損害保険料(掛け捨てのもので、その年分のみ)

✔ 減価償却費

✔ 借入金金利(元本は経費にならず、金利部分のみ)

✔ 賃貸管理会社へ支払う管理料

✔ 建物管理会社へ支払う管理費・修繕積立金

✔ 入居者募集のための広告宣伝費

✔ 税理士へ税務関係を依頼した場合の費用

✔ その他(清掃、消耗品費、交通費、通信費など)

家賃収入からこれら必要経費を差し引きます。

差し引いて残った金額が「不動産所得」です。

不動産所得=家賃収入-必要経費

経費として認められないケースもある

注意点してほしいのは、経費として計上するつもりが、実は経費として認めらないケースもあるということです。

以下の記事には経費として認められない支出を事例でまとめましたので、ご参考ください。

3.不動産投資で所得税・住民税が節税できる

お待たせしました。

ようやく本記事の結論に触れます。

不動産投資をすることで、所得税・住民税の節税が期待できます。

1)建物を減価償却して不動産所得を赤字にすることで、給与所得が圧縮できる

ここでいう節税とは、サラリーマンの本業から発生する給与所得の圧縮(納める税金を少なくすること)です。

建物を購入して減価償却することで、給与所得の圧縮が可能になります。

減価償却費の詳細は後述しますが、概論だけ述べると次のようになります。

不動産投資で節税できる根拠

①取得建物を減価償却

(実際にお金は出ないけど経費計上できる便利な方法)

②1年目は家賃収入が少ないので、必然と不動産所得は赤字になる

③不動産所得は給与所得と合算できる

例)給与所得400万円、不動産所得▲250万円

=差額150万円が合計所得金額

④結果、給与所得150万円分が節税となる

4.減価償却費と損益通算

本章では前章で出た減価償却費について詳しく解説していきます。

節税効果においては、実際には出ていかない「減価償却費」が大きなポイントになります。

減価償却とは

建物を買ったとき一度に費用にせず、毎年少しずつ経費として計上していくこと。

注意事項としては、減価償却の対象は建物や建物付属設備であり、減価しない土地は対象外になります。

1)減価償却費を計上して「損益通算」する

すでに不動産を購入しているので、減価償却費は実際にお金として出ていきませんが、経費として計上できます。

減価償却費が大きいと収支がマイナスになることがあり、このマイナス分を給与所得から差し引くことができます。

これを「損益通算」と言い、結果、給与所得の圧縮ができて節税になるわけです。

2)減価償却費の償却期間

ここで注意しなければならないのは、減価償却費は税法上、建物の構造により償却期間が決まっているということです。

建物には耐用年数というものがあり、以下のように定められています。

構造 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨 27年
重量鉄骨 34年
RC(鉄筋コンクリート)

 

SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)

47年

5.中古物件の耐用年数の計算方法

1)築年数が法定耐用年数を超える物件の計算式

築年数が法定耐用年数を超える物件もあるでしょう。

その場合は、法定耐用年数 × 20%」 で計算します。

【築年数が法定耐用年数を超える物件】の減価償却計算

*築30年の木造を取得した場合

≪計算式≫

法定耐用年数22年 × 20% =4年

減価償却期間は4年になります。

2)築年数が法定耐用年数の一部を経過している建物

法定耐用年数を一部経過している建物の耐用年数は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」で計算します。

例えば、築25年のRC造のマンションの場合は法定耐用年数が47年なので「22年(法定耐用年数47年-築年数25年)+5年(築年数25年×20%)=27年」となります。

6.節税効果が高いのは新築マンション?中古マンション?

新築に比べて、中古マンションは償却期間が短くなるため、毎年の減価償却費が高くなります。

つまり、中古マンションは短期間に大きな効果が得やすいと言えるでしょう。

7.不動産投資で節税すべき人とそうでない人

不動産投資での節税効果が高い人は、ずばり課税所得の高い人です。

具体的には、課税所得900万円(年収1,200万円)以上の人を指します。

所得税の課税方式は超過累進課税が採用されています。

なぜ課税所得900万円以上の人が節税目的で不動産投資する人にふさわしいのか、次の節で解説します。

課税所得金額

税率 控除される金額
1,000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

※参照:国税庁https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_1.htm

1)課税所得が900万円以上の人

不動産投資を行う際、出口戦略を考えて投資するのが一般的です。

出口戦略とは、売却益(キャピタルゲイン)を狙うこと。

(逆にローン返済後の賃貸収入を狙う方法をインカムゲインと言う)

晴れて売却できた場合、売却益に対して所得税・住民税が課税されます。

これを譲渡所得税といい、ここに課税所得が900万円以上の人が有利になる理由があります。

端的に言うと、不動産購入から5年以降に売却すると、譲渡所得税率は約20%で済みます。

課税所得が900万円を超えてくると所得税・住民税の税率は33%以上。

仮に、課税所得1,800円以上の人だと税率は40%なので、譲渡所得税率との差は約20あることになります。

個々のケースによりますが、金額単位で言うと100万円以上の節税になるでしょう。

一方で、これが課税所得900万円以下の人だとどうでしょう。

上の表を見ると税率は23%。

譲渡所得税率20%とほぼ変わらない税率であることが分かります。

つまり、たった3%分(数十万程度)しか節税にならないのです。

※明白に解説するために、ここでは個々人の控除などは含めていないです

たった数十万程度の節税のために、多額のローンを背負うのは、現実的な考え方だとは言えないでしょう。

2)課税所得が900万円以下の人

では、課税所得900万円以下の人が不動産投資をしてはいけないのかというと、そうではありません。

上記はあくまでも、(長期)譲渡所得の節税を目的に不動産投資をする場合においては、課税所得が900万円以下の人にとってっは不向きだ、という話でした。

先述した減価償却を用いた損益通算による給与所得の圧縮も十分使える方法です。

他にも、課税所得900万円以下の人が利用できる節税方法があるのでご紹介しましょう。

8.課税所得が900万円以下の人でも確定申告すれば節税できる

節税を受けるには当然に確定申告を行う必要があります。

確定申告は2つのやり方があります。

1つは青色申告。

もう1つが白色申告です。

1)青色申告をしましょう

1.青色申告と白色申告、どちらにすべき?

お勧めは青色申告です。

正直、青色申告を選ばない理由はありません。

従来、白色申告だと家計簿レベルの帳簿付けでよかったので、こちらを選択する人も一定数いました。

しかし法改正によって、白色申告でも複雑な記帳による帳簿付けが義務付けられました。

いずれにしても帳簿付けが必要なのであれば、特別控除が受けられる青色申告を選択しない手はありません。

2.青色申告の内容

メリット10万円の青色申告特別控除、その他優遇規定(備品等の減価償却制度)

デメリット…特になし

青色申告を利用すれば、10万円の特別控除が受けられます。

もしもワンルーム10室以上(事業的規模)を所有するようであれば、55万円(e-Taxによる申告の場合等は65万円)の特別控除が受けられます。

3.青色申告の申請方法

税務署に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。

注意すべきは申請時期です。

【その年から青色申告をする場合の申請期限】

その年から事業を始めた人…事業を開始した日から2か月以内
前年以前より事業をやられている人…青色申告を始めたい年の3月15日

期限が経過している場合でも今年分の確定申告と同時に提出(今年3月15日期限)することで、来年から青色申告することが可能です。

2)確定申告のやり方

青色申告の申請が終わったら次はいよいよ確定申告ですね。

確定申告のおおまかな流れとしては、次の通りです。

確定申告の流れ

①必要書類を準備

②確定申告書・決算書の作成

③申告書の申請

④納税額の納付

これらの詳細は、「家賃収入がある場合の税金はいくら? 計算方法や確定申告のやり方まで解説」で解説しています。

3)確定申告時に使える節税テクニック7選

課税所得900万円以下の人でも確定申告時に使えるテクニックがたくさんあります。

例えば、次の節税です。

個人が確定申告時に使える節税一覧

✔ふるさと納税

✔住宅ローン控除

✔生命保険控除

✔医療費控除

✔扶養控除

✔ひとり親・寡婦控除

✔iDeCo/小規模企業共済等掛金控除 など

それぞれの節税詳細について、税理士がまとめた「【総まとめ】個人こそ使いたい節税一覧【対策編】」で解説しています。

9.相続税の節税

現金を相続した場合は、額面金額がそのまま相続税評価額とされます。

一方、不動産は、購入価格が評価額とされるわけではありません。

不動産は時価よりも安い路線価固定資産税評価額によって評価されます。

自分で住むためではなく、第三者に賃貸していた場合には、さらに評価額は下がります。

相続税は、相続財産の評価額から基礎控除を引き、税率をかけて計算します。

そのため、評価額が低いほど、相続税が少なくなり、節税ができるということです。

制度を上手に利用して資産を形成していこう

本記事のまとめ

✔不動産所得と給与所得を損益通算することで節税できる

✔青色申告を利用する

✔確定申告時に使える節税を駆使する
✔節税効果が高いのは中古マンション
✔課税所得900万円以下の人でも節税効果は十分ある!

サラリーマン投資家でも、節税効果は十分にあることが分かったと思います。

課税所得900万円以下の人でも、減価償却を利用した損益通算制度で節税できますし、確定申告時の工夫でさらに節税できるのです。

「節税ありき」で不動産投資すべきではありませんが、制度を上手に利用することで資産形成はうまくいきます!

まずは信頼できる税理士か、不動産営業マンに相談してみるのが良いでしょう。



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