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築古マンションのリスクについて(マンション管理士が徹底解説!)

最近、ニュースでも「築古マンションの問題」がよく取り上げられるようになりました。

所説ありますが、日本初の民間向け分譲マンションの竣工が1956年と言われていまので、2022年現在では築66年がもっとも古いマンションとなります。

最近では「築50年」を超えるマンションが増えてきたことで、耐久性への懸念や資産価値の減少、あるいは居住者がいなくなることによるゴーストマンション化などが問題となっています。

問題を抱えたマンションのことを「負の資産」である「負動産」と呼ぶようにもなりました。

このページでは築40年~60年経った築古マンションについて、

  • 築古マンションを所有することのリスク
  • 売却するためにはどうすればいいか?
  • 住み続ける場合はいつまでが限界か?

といった点について、詳しく解説します。

築古マンションを保有するリスク・注意点

マンションは保有しているだけでも、毎月の管理費や修繕積立金などのコストが発生します。また固定資産税も毎年払わないといけません。

管理費や修繕費は、築古になればなるほど高くなる傾向があり、資産として残そうにも、逆に子どもたちの負担となってしまう可能性すらあります。

この先も使う予定のマンションなら問題ありませんが、「親から相続した築古マンション」や「今は誰も使っていない築古マンション」などは、できるだけ早めに手放した方がよいでしょう。

なぜなら築古マンションはどんどん売り難くなっているため、いざ売りに出しても1年や2年売れ残ってしまう可能性が高いからです。

築古マンションを所有し続けるのであれば、リスクについてしっかり理解しておく必要があります。

築古マンションはどんどん売るのが難しくなっていく

築古マンションがこの先売り難くなっていくのは間違いありません。なぜなら日本では少子化が進み、毎年人口が減っているからです。

それに伴い問題となっているのが「空き家」の増加で、近い将来、日本にある住宅の30%以上が空き家になるというデータもあります。

これは市場が「物件あまり」の状態になるということを意味するので、築古マンションの売却は確実に難しくなるでしょう。

オーナーとしては売りたくても売れないので、それならば「賃貸へ」と考えるようになるのですが、これもまた難題です。

築古マンションの場合、老朽化が進んでいるので、施設のあちこちに不具合が出てきます。

それらを修繕して、ある程度部屋を綺麗に整えてからでないと、借主(賃借人)を見つけるのは難しいでしょう。

その結果、売りたくても売れない、貸したくてもその準備にお金がかかるという負のスパイラルに陥ってしまい、身動きが取れなくなるケースがあります。

修繕費が高くなり、固定資産税などもずっとかかる

マンションが古くなれば、それだけ管理費も修繕費も割高になっていき、これがオーナーにとって大きな負担となります。

築40年を超えてくると、管理費と修繕積立金だけで月3万円程度必要になるマンションもあります。(もっと高額なケースも)

そしてこれらの費用負担は、築古マンションに買い手がつかなくなる大きな原因の1つになります。

買い主側から見れば、築古なので物件自体は安く買えたとしても毎月支払う管理費や修繕費が高くつくので「それならもう少し築浅のマンションを買ってもトータルコストは変わらないな」という判断になるからです。

この点を意識している人はとても少ないので、いざ売りに出してから気づいて後悔するというケースが目立ちます。

子どもにとって「負の資産」になってしまう

売りたくても売れない、貸したくてもお金がかかる。そんな物件を最近では負の資産として、「負動産」と呼ぶようになりました。

換金性が悪い不動産であると同時に、負の資産でもあるので、築古マンションを残されて一番困るのは相続する子供たちになります。

築古マンションなので、相続税を払う必要があるほどの評価にはならないと思いますが、そもそも所有しているだけでコストがかかるので、子供たちが住み続けない限りは不要な資産となります。

たまに「いざとなれば相続放棄すれば良い」、「自治体に寄付すれば良い」と言う人もいますが、残念ながらそう簡単なものではありません。

まず、相続放棄については、特定の財産だけを選んで相続放棄することはできないので、もし相続放棄するならマンションを含めた全ての遺産をまとめて相続放棄しなければなりません。

また、自治体への寄付に関しても、「不要になった築古マンションをタダで寄付します」と言ったところで、喜んで受け取ってくれるところはほとんどないでしょう。

この点から、「相続放棄」や「自治体への寄付」は、現実的にはほぼ不可能な選択肢であると言えます。

そうなると、「売れるうちに多少安値でもいいから売ってしまう」というのが現実的な道になってきます。

子供たちのことを考えるのであれば、古くなったマンションはできるだけ早めに手放しておくことが大切です。

築古マンションを売る方法は?

では具体的な対策として、築古マンションを売却するための方法を考えていきましょう。

まずは分譲マンションの資産価値について確認していきます。

築年数が経過するごとに、マンションの販売価格は下記のように減少していきます。

築年数 販売平均価格 早期成約率
築0~5年 5,619万円 23.3%
築6~10年 4,885万円 31.9%
築11~15年 4,391万円 26.1%
築16~20年 3,941万円 25.8%
築21~25年 2,846万円 18.6%
築26~30年 1,787万円 13.5%
築31年~ 1,835万円 12.6%
※首都圏の不動産流通市場の2019年データ参照

上記のように、築20年を超えた時点で中古マンションの価値は大きく下がり、築30年を超えると新築時の30%ほどの資産価値しかなくなります。

また、早期成約率もガクッと下がるので、売却するまでに長い時間がかかる可能性があります。

前述したように、築古マンションは維持費だけでも大きな負担となるため、売却期間が長くなればなるほど持ち主にとってはリスクとなってしまいます。

もし出来る限り早く売却したいなら、下記の2つの方法が考えられます。

  • 最安値まで下げて早期売却を狙う
  • 買取専門業者に買い取ってもらう

それぞれについて解説します。

最安値まで下げて早期売り抜けする

もっとも単純なのは、「最安値まで下げる」という考え方ですが、これは「周辺の競合物件と比べて」という意味になります。

同じマンションや近隣に同条件の中古マンションが売りに出ているのであれば、それらの販売価格を徹底的に調査し、最安値の売却価格にすることで早期に売り抜けるという手法です。

この手法で重要なのは、僅差ではなくはっきりとした価格差をつけることです。

100万円や200万円程度の価格差であれば、施設の状態次第では良し悪しがひっくり返されてしまうので、もっと大きく「明確に安いと思える価格」を設定しましょう。

それでは損をしてしまうと感じるかもしれませんが、結局売れないまま1年、2年と時間が経過してしまえば、その間の維持費がマイナスされる訳ですから、思い切って値段を下げてでも早期売却を狙った方が精神衛生上も良いと思います。

但し、築古マンションという点をつかれて、そこからさらに値下げ交渉される可能性もあるので、どこを限界の下値(売切り価格)にするかはあらかじめ設定しておきましょう。

難しく感じるかもしれませんが、今はインターネットで売却相場が調べられるので、そこまでハードルは高くないです。

例えばリクルートが運営する国内最大級の不動産サイト「SUUMO」や、不動産大手6社が運営する「すまいvalue」、NTTデータが運営する「HOME4U」といったポータルサイトを使えば、机上の売却査定(※)は簡単に調べられます。

築古物件の場合、不動産会社によって査定額が大きくブレることがあるので、なるべく複数の不動産会社に机上査定を依頼して、相場を調査しましょう。

目安としては最低でも3社、できれば5社程度を比較すれば、妥当な相場(価格)が判ると思います。

査定自体は無料ですので、「売約するのはまだ少し先」という場合でも心配ありませんので、気になったら早めに相場を確認しておきましょう。

※大手企業が運営する査定比較サイト
SUUMO(リクルート)
すまいvalue(大手6社協同運営)
HOME4U(NTTデータ)

※机上査定とは
立地や築年数などからおおまかに算出した査定額で、実際に家を見ている訳ではないので、大まかな目安です。

不動産買取業者に直接売却する

もうひとつは個人ではなく、不動産売買を専門でやっている業者に買い取ってもらう方法です。

一般的な売却の場合は、下記の画像の上側にあるように、仲介業者を通して一般の個人にマンションを売却します。

しかし業者買取の場合は、直接不動産業者に売却するため、交渉がとてもスムーズに終わるというメリットがあります。

※いえカツLIFEより画像引用

このような買取業者の多くは、部屋をリフォームして再販売するのが前提なので、築年数が経過しているマンションでも買い取ってくれます。

さらに専門業者に直接買い取ってもらうため、一般的なマンション売却のように仲介手数料を払う必要もありませんし、売却後の「契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)」を負う必要もありません。

これは売主にとってはかなり大きなメリットとなります。

しかしその一方で、もちろんデメリットもあります。

専門業者に買取りを依頼した場合、一般的なマンションの売却相場の7割程度の値段しかつかないので、売却額は安くなってしまいます。

例えば市場相場が2,000万円の物件であれば、その7割である1,400万円前後が売却額になるという意味です。

この点をどう判断するかですが、先ほども書いたように築古マンションは持っているだけでコストがかかるので、もし、なかなか売れずに時間が経過してしまうなら、買取業者に依頼するのはアリだと思います。

他にも業者買取を利用した場合のメリットはこれだけあります。

<業者買取を利用するメリット>

・現金化が早い(※1週間~2週間程度)
・仲介手数料を払わなくて良い
・契約不適合責任(瑕疵担保責任)のリスクがない
・購入希望者の内覧がない
・誰にも知られずに売却できる

売却時に多くの人が大変と感じるのが「買い主候補の内覧対応」ですが、業者買取りであればこれも不要です。

総合的に考えると、

  • まずは周辺地域の中で最安値で売却をかけてみる
  • 一定期間しても売れなければ買取業者に依頼する

という流れが、築古マンションを売却する際のもっとも確実な方法だと思います。

通常の売却依頼に関しては、先ほど紹介した「すまいvalue」や「HOME4U」などのポータルサイト経由で仲介業者を探すのが無難です(悪質業者を排除する仕組みがあるため)。

他方で直接買い取ってくれる業者を探す場合は、下記の「訳あり物件買取PRO」というサイトが便利です。

このサイトでは、築古マンションなど、様々な問題を抱えた「訳あり物件」の買取り査定額を瞬時に弾き出してくれるため、築古マンションを早く手放したい人に向いています。

 

売らない場合はいつまで住めるのか?

もし築古マンションを売らない場合に「いつまで住むことができるのか?」という疑問に関してですが、これには今のところ明確な答えがありません。

一般的なマンションはRC造(鉄筋コンクリート)で建てられており、RCマンションの平均寿命は68年と言われています。

しかし、物理的には築100~120年くらいがRCマンションの限界という説もあります。

ただ、残念ながら日本には未だ築100年を超えるマンションが存在しませんので、この説は空想の域を超えません。

管理と修繕計画が大事

マンションの寿命は、そのマンションが適切に管理され、計画的な大規模修繕を実施して来たか否かによって大きく変わります。

過去に大規模な修繕工事を実施したマンションであれば、当然、この先の修繕計画もしっかり組まれているはずです。

計画的な修繕スケジュールが組まれていれば、今後大幅に修繕積立金が上がることも考えづらいですし、将来的な建て替え計画まで決まっている可能性があります。

もし、将来的な建て替え計画がある場合には、その費用をオーナーたちがどれくらい負担しなければならないのかをチェック(確認)してみましょう。

それによってマンションの売却計画が変わってくる可能性があるためです。

築50年、築60年のマンションが倒壊するリスクは?

1981年に現在の耐震基準が施工されたので、それより前に建築されたマンションは旧耐震基準に沿って建てられています。

この新耐震基準と旧耐震基準は、中古マンションを選ぶときの大きな指標となっており、マンションの資産価値が大きく違ってきます。

1981年に建てられたマンションは、2022年には築41年になる計算です。

つまり現時点で築50年や築60年というマンションは、すべて旧耐震基準で建てられていることになります。

老朽化による自然劣化が原因で倒壊してしまうことは考え難いですが、地震によって倒壊してしまう恐れがないとは言い切れません。

旧耐震基準と新耐震基準の規定ついては、下記のようになっています

  中規模地震(震度5強程度) 大規模地震(震度6~7程度)
旧耐震基準 倒壊しない 規定なし
新耐震基準 軽微なひび割れにとどめる 倒壊しない

旧耐震基準のマンションであっても、耐震リフォームを施している物件はこの限りではありませんが、東京都が発表しているデータでは約94%の旧耐震マンションが耐震リフォームが未実施となっています。

あまり考えたくないことですが、例えば今後30年以内に南海トラフなどの大地震の可能性が報じられている地域の築古マンションに住んでいる場合は、万一のリスクに備えて早めに住居を変えるのが賢明です。

耐震基準と耐震等級 – 日本住宅流通株式会社
中古マンションの築年数 – SUUMO

よくある質問

築古マンションの売却や維持管理について、その他によくある質問をまとめました。

もう不要なので処分したいが、どうすればいい?

処分したいといっても、マンションの場合はそう簡単にはいきません。

所有権を放棄することはできませんし、無償で寄付しようと思っても貰い手がいないからです。

確実な方法としては、前述したように専門業者などに買取りを依頼するのが一番早いでしょう。

急いでいないのであれば一般の売却で買い主を募集してみるのも手ですが、築古マンションの場合は時間がかかる可能性が高いです。

売りに出して3ヵ月ほど様子をみても反響がなければ、買取業者に査定してもらい出来るだけ早期に買い取ってもらうことをおすすめします。

築古マンションが建て替えになったケースは?

この記事の冒頭で紹介した日本初の分譲マンションは、新宿区本塩町にあった「四谷コーポラス」です。

この四谷コーポラスは老朽化による建て替え工事のため、2017年に解体されました。

その後建て替え工事が進み、2019年にアトラス四谷本塩町として生まれ変わりました。

R.E.portより引用

こちらのマンションの場合、新宿区という好立地であったこと、そして管理組合が長年に亘りしっかり活動を続けてきたことが建て替えに至った最大の理由だと思います。

実際、分譲マンションを建て替えるには法的に所有者全体の5分の4以上の賛成が必要です(マンション建替え円滑法)。

当然建て替えの費用の多くはオーナーが負担しなければなりません。

自己負担額は1000万円くらいになると考えておく必要があり、この負担金を巡って建て替えに反対するオーナーも少なくありません。

「四谷コーポラス」(旧アトラス四谷本塩町)は、今のところ日本では数少ない建て替え事例になります。

まとめ

今回解説したように、築古マンションは将来的に負の資産となる可能性が高く、時間が経てば経つほど売却するのが難しくなります。

何か特別な理由がない限りは早めに売却することをおすすめします。

実際に今すぐ売る気はなくとも、現時点でどの程度の資産評価がつくかを把握しておくことは重要なので、一度は売却時の見積もりを取るようにしましょう。

不動産の売却は、通常の物件であっても3ヶ月から半年程度はかかるので、築古マンションの場合はさらに長くかかる覚悟が必要です。

この点からも、なるべく早めに売却査定をとって、いざ気持ちが固まったときにすぐ動けるように、不動産会社と面識を持っておく方がよいと思います。

査定自体は無料ですし、今すぐ売る気が無くてもまったく問題はありませんので、時間に余裕があるときに査定しておきましょう。

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