そんな中、不動産投資を検討している方は多いでしょう。実際にコロナ禍の中でも不動産価格は上昇傾向にあります。
不動産投資は投資初心者の方にとって、初期投資費用が大きかったり専門知識がない分、業者に騙されてしまうのではないかと不安に感じる方も多いと思います。
今回の記事では、不動産投資の成功率についてや不動産投資を成功させるコツについて解説します。
目次
不動産投資の成功率とは?
不動産投資が成功する確率はおおよそ10%程度と言われています。
不動産投資の成功率は人それぞれ違うもので、目的によって不動産投資が成功するか失敗に終わるかが異なってきます。
不動産投資の目的は「家賃収入」を得る以外にも、「相続税対策」「生命保険の代わり」等も考えられます。
不動産投資の目的 | 成功率 |
---|---|
家賃収入で生計を立てる | 低い |
副業として家賃収入 | 比較的高い |
相続税対策として不動産投資 | 比較的高い |
不動産投資家として事業を確率 | 低い |
生命保険として不動産投資 | 高い |
不動産投資を成功させるためには不動産投資の種類について理解しておくことが重要です。投資対象とする不動産の種類によって利回りや難易度が異なってきます。
不動産投資には多額の費用が必要となるというイメージもありますが、中には数万円から投資可能なものもあります。
不動産投資の種類 | 難易度 | 初期費用 |
---|---|---|
ワンルームマンション投資 | 高い | 数十万円〜数千万円 |
アパート・マンション一棟投資 | 高い | 数百万円〜数千万円 |
中古戸建投資 | 中 | 数百万円〜数千万円 |
REIT | 小さい | 数百円〜 |
不動産クラウドファンディング | 小さい | 数万円〜 |
ワンルームマンション投資|難易度:高
ワンルームマンション投資とは、区分マンションの1部屋を購入して入居者を募集する投資スタイル。銀行融資が受けられれば始めやすいのがメリットです。
ワンルームマンションの購入は銀行から融資を受けて物件を購入し、入居者の管理・募集は不動産管理会社へ委託してほぼ自動的に家賃収入を得る仕組みです。
例えば、家賃が10万円のワンルームマンションを購入しても、「不動産管理費用:2万円」・「ローン返済:5万円」となると差し引きで3万円が手残りとなります。
ワンルームマンションを成功させるためには、「空室リスク」や「家賃下落リスク」をしっかりと対策して物件を購入する必要があるため、初心者には難易度が高めです。
ワンルームマンション投資 | |
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成功率 | 低い |
初期費用 | 数十万円〜数千万円 |
利回り | 4.0%〜4.3%程度 ※出典:一般財団法人 日本不動産研究所 |
成功するには? |
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ワンルームマンション投資の延長線上でマンション・アパート等の一棟不動産投資の手法もあります。初期費用が高いですが、ワンルームマンションと比較すると「空室リスク」が分散できます。
中古一棟マンションは数千万円~数億円と価格も高くなってきますが、不動産投資ローンを組んで購入することも可能です。複数の住居を持てるため「空室リスク」軽減しやすいですが、初期費用が高いのが最大のリスクです。
しかし、投資初心者にとっては初期費用が大きくリスクが大きいです。また、失敗した時のリスクも大きいので物件の選定には時間をかける必要があります。
アパート・マンション一棟投資 | |
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成功率 | 低い |
初期費用 | 数百万円〜数千万円 |
利回り | 7.0%〜8.5%程度 ※出典:建美家 「不動産投資 四半期レポート < 2022年1月~3月期」 |
成功するには? |
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中古戸建投資ではファミリー層をターゲットに一戸建ての物件を貸し出す不動産投資スタイルです。中古戸建物件は一棟投資と比較しても初期費用が少なくてすみます。
また、実際に現地に行って不動産の状況や周辺状況を確認して入居者が見つかる良質な物件なのかどうかを判断できたり、実際に住める物件かどうかを確認できるのもメリットです。
住宅設備リフォームは費用も高くなりやすいです。また、中古物件であれば資産価値を保つためにも、日々のメンテナンスに関わる知識やお金も必要です。
中古戸建物件で不動産投資を検討する場合は、信頼できるリフォーム業者を探索しておくことが重要です。「リフォーム会社比較見積もりサイト」などを利用して探すこともおすすめです。
中古戸建投資 | |
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成功率 | 中 |
初期費用 | 数百万円〜数千万円 |
利回り | 10.0%程度 ※出典:LIFULL HOME’S不動産投資 |
成功するには? |
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REITは投資信託の一種ですが、投資家から集めた投資額で不動産の運用(マンション購入・管理・運用)をプロに任せて、得られた収益を投資家へ分配していく金融商品です。
出典:一般社団法人 投資信託協会 「J-REITの簡単な仕組み」
REITは投資信託の一種のため、証券会社などから手軽に購入が可能、現在であればインターネット証券を利用すれば、窓口に行かなくてもREITを購入可能です。
REITには証券口座の知識や、REITの中身についても理解しておくことが必要ですが、資産形成の一部としてREITを組み込むことは「インフレ対策」にも繋がり分散投資の効果があります。
REIT | |
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成功率 | 高い(リスクを抑えて投資可能) |
初期費用 | 数百円〜 |
利回り | 5.0%程度 ※出典:J-REIT 不動産投資情報ポータル |
成功するには? |
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不動産クラウドファンディングとは、インターネット上で投資家から資金を集めて不動産投資を事業者が行い、それによって得られた収益を投資家に分配していくものです。
REITと同じような仕組みではありますが、投資家が直接事業者へ出資しているところがREITとは異なっており、その影響によって「流動性」「価格変動リスク」に差が生じます。
REITと不動産クラウドファンディングの違い | REIT | 不動産クラウドファンディング |
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最低出資額 | 数百円程度 | 1万円〜 |
流動性 | 高い すぐに売買可能 |
低い |
価格変動リスク | 高い | 低い |
元本割れのリスク | あり | あり 優先劣後対策あり |
不動産クラウドファンディングサービスでは、1口1万円程度から投資が可能なサービスを提供しており、利回りも比較的高いのが魅力です。
しかし、税金対策を講じることができないため、配当・分配金に対して課税せられてしまうことがデメリットです。
不動産クラウドファンディング | |
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成功率 | 高い(リスクを抑えて投資可能) |
初期費用 | 1万円〜 |
利回り | 想定利回り5~8% ※出典:利回り不動産 「ファンド一覧」 |
成功するには? |
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不動産投資の種類と特徴・成功の可能性について解説してきました。不動産投資を成功させるためにはどうすれば良いのか不安に感じる方も多いと思います。
そこで、初心者の方でも不動産投資を成功させるためのコツについて解説していきます。
市場相場・ライバル物件の調査
不動産投資を成功させるためには「購入する物件の周辺エリアの物件(ライバル)」の市場相場を調査することが必要不可欠です。
市場相場・ライバル物件の家賃相場を確認することで、不動産投資を検討している物件が高いのか、安いのかを把握することが可能です。
初心者の方でも簡単に市場相場を調査する際には、「レインズ」や「土地総合情報システムサイト」を利用することで信頼できる情報が集められます。
自分で市場相場を調べる方法 | 内容 |
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レインズ |
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土地総合情報システムサイト |
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両者のサイトは国土交通省指定の不動産流通機構が運営しているサイトのため、情報の信憑性が高いサイトです。
細部までシミュレーション
不動産投資の特徴として、長期的な投資にも関わらず発生する収益、手数料、手間賃などをシミュレーションしやすい点が挙げられます。
簡単な事例としては、家賃5万円の物件を20年間(240か月)運用したとしたら家賃収益1200万円になります。
不動産投資会社へ相談すれば、対象の物件を細かく損益シミュレーションすることが可能ですが、自分でも実際に手を動かすことで、不動産投資会社に任せっきりにしないことが大切です。
シミュレーションツールには下記のおすすめツールを利用してみましょう。有料のアプリケーションもありますが、不動産投資を本気で検討している方にはおすすめです。
最近の不動産投資会社では、不動産投資初心者の方に向けて「物件選定・不動産管理・売却戦略」まで一貫してサービスを提供しているところも多いです。
不動産の管理をやってもらえるサービスは「本業」がある方にとっては魅力的で、入居者の募集・契約・トラブルサポートを委託できるので、非常にメリットが大きくなっています。
不動産投資のメリット・デメリットは?
不動産投資のメリット | 不動産投資のデメリット |
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メリット①ローンを使って投資できる
不動産投資を実施する場合には、初期費用として数百万円〜数千万円の費用がかかるため、初心者の方であれば始め難いのが実状です。
しかしながら、金融機関の借入を上手く利用すれば、収益不動産の購入価格の70〜90%程度を借入することも可能です。
その一方で、不動産投資であれば、物件の価値が0円になることは考えづらいので、金融機関からの借入も可能になります。
メリット②銀行預金より高い利回りが期待できる
不動産投資は銀行に預金するよりもはるかに高い利回りで資産運用できるのがメリットです。
現在の銀行預金の金利は0.1〜0.02%程度ですが、不動産投資の利回りは5%〜15%程度で運用できることもあります。
メリット③収益性を予想できる
不動産投資の醍醐味として、物件購入段階から物件が持つ収益性とリスクについて予想できることが挙げられます。
そのため、不動産投資は熱心に勉強している方は有利に物件選定・リスク回避が可能です。
その点、不動産投資であれば、家賃収入や物件周辺のエリア・築年数から逆算して、どれくらいの収益と運用コストがかかるのかを予め予想できます。
デメリット①空室リスク
不動産投資のデメリットとして、まず考えられるのが「空室リスク」でしょう。
空室リスクは不動産投資には避けられないリスクであり、不動産投資家にとっても最も避けたいものです。
デメリット②家賃滞納リスク
不動産投資を始めることで、安定した家賃収入が得られると感じる方も多いでしょう。
しかしながら、入居者を決められても家賃を支払わない「家賃滞納リスク」があります。
そこで、不動産管理会社による連帯保証人や連帯保証会社の利用を検討しなければなりません。
デメリット③老朽化リスク
不動産投資をすると、建物の老朽化による「老朽化リスク」も発生します。
「老朽化リスク」では住宅設備の老朽化によって故障や破損の修繕費がかかったり、売却する際にも老朽化が酷くて売却できないケースもあります。
不動産投資が失敗する行動・注意点
不動産投資を成功させるためのコツを解説してきましたが、一方で不動産投資ではやってはいけない注意点についても気になる方は多いのではないでしょうか?
不動産投資会社任せにしてしまう
不動産投資初心者の方がやってしまう行動で見受けられるのは、不動産投資会社に任せっきりの投資スタイルです。
国土交通省からも「賃貸住宅経営に関する契約」についての注意喚起が出されており、不動産管理を専門業者に任せることの危険性について公表しています。
疑問点がないままに話が進んでいくのは知識不足が原因かもしれません。そのため細部までこだわったシミュレーションを自分でも行ってみることが重要です。
不動産投資において、物件のエリアや需要の調査は非常に大切です。不動産は読んで字の如く、動かすことのできない資産です。
地方エリアでの不動産を検討している方は、特に賃貸需要や土地・建物価格の下落に気をつけなければなりません。
出典: 総務省統計局 「人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)」
上記のグラフは総務省が公表した2021年(令和3年)10月1日現在の全国の人口推移のグラフとなり、多くの都道府県で自然現象があわらていることがわかります。
上記の社会的背景を見ても、今後、日本全体で賃貸需要が減少していくことが予想されるため、資産価値が高い不動産を探すには時間をかけてじっくり検討していくことが重要です。
不動産投資を始める手順を解説
不動産投資を始めたいけど、実際にはどのように行動していけばいいのか?と感じる方も多いと思います。
そこで、不動産投資を始めるための手順について解説していきます。
- 資金の準備
- 不動産を探す
- 現地調査
- 購入
- 入居者募集
1.資金の準備
不動産投資を始めるのであれば、少なくとも物件価格の20%〜30%程度の資金が必要です。
2.不動産を探す
不動産投資用の資金が集まってきたら、不動産ポータルサイト等を活用して収益用不動産を探してみましょう。
不動産ポータルサイトでは、全国の収益用不動産を検索して調査できます。
3.現地調査
気になる物件が見つかったら、実際に「現地調査」を実施しましょう。内観の様子も含めて調査するためには、不動産会社から鍵を借りる必要があります。
4.購入
現地調査・物件調査が完了し、購入の意思が固まれば、不動産会社へ買い入れの申込みを実施します。
無事に住宅ローンの融資を引ければ、ローン契約・売買契約を締結して引き渡しを受けます。
5.入居者募集
そして、収益不動産を購入したら、不動産投資家として入居者募集を実施していきましょう。
自分で入居者を探すこともできますが、一般的には不動産仲介会社を利用して入居者を探していきます。
不動産投資を成功させるならセミナーで勉強しよう
不動産投資を考えている方の中でも、何から始めたら良いか分からないという方が多いと思います。不動産投資を考え始めた方にまずして欲しいのが、不動産投資に関する知識をつけることです。現在、不動産投資の経験豊富なプロが開催しているセミナーは数多くあります。